テレビ東京の新作ドラマ「居酒屋ふじ」でBlackmagic DesignのURSA Mini 4.6K、DaVinci Resplve等を使用
Blackmagic Designが、テレビ東京系土曜ドラマ24「居酒屋ふじ」の撮影で
Blackmagic URSA Mini 4.6KをA、Bカメラとして使用したことを発表しました。
また、撮影時にBlackmagic Video AssistおよびBlackmagic Video Assist 4K、
Blackmagic SmartView 4Kを使用したほか、
グレーディングはDaVinci Resolve Mini Panelを使い、DaVinci Resolve 14で行われました。
「居酒屋ふじ」は、東京・中目黒に実在する居酒屋「ふじ」の店主で2014年に惜しまれながらも逝去した“おやじ”の半生を描いた同名小説を原作とし、永山絢斗演じる売れない若手俳優の西尾栄一が、本人役で出演する大森南朋をはじめ、実名で登場する常連客の著名人から語られる言葉や、「ふじ」の “おやじ”が残した逸話を通して、再び夢を追い求める姿を描いたヒューマンドラマ。篠原涼子や大杉漣など、各回に著名なゲスト俳優陣が常連客として出演するのも話題となっています。
テレビ東京のオンエア開始の一週間前からAmazonプライム・ビデオで独占先行配信されています。
「Amazonプライム・ビデオ用の納品はUltra HD 4Kのため、もともと4K以上で撮影できるカメラを探していました。また、ほとんどのカメラはカメラ内部でRAW収録できないため、レコーダーが必須になります。限られた予算の中で、画質にも満足できて使いやすいカメラ、さらにそれを2台用意したい、という要望を実現するのはURSA Mini 4.6Kだけでした。」と撮影監督の今井孝博氏。
撮影監督:今井孝博氏
「この作品では、実在の『ふじ』とそっくりの店内をセットで再現しました。10人も入ればいっぱいの小さな店内なので、狭い場所でも入れるURSA Miniのコンパクトさは、助かりましたね。また、ジンバルに乗せての撮影も何度かありましたが、カメラがすでにコンパクトでバランスが取りやすいので、わざわざジンバルの撮影のために小さなカメラを変える必要もなかった点も効率的でした。」
グレーディング担当:田巻源太氏
「今回の作品は、現場にDITがいなかったので、私がテスト撮影時に現場で使えるLUTを作成しました。グレーディングにはDaVinci Resolveを使うことが決まっていたので、フィルターやResolveを使って作品に合った画作りをしておくことで、クランクイン前からカメラマンとカラリストが、最終的にどんなイメージにしたいか、という共通認識を持つことができます。また、カメラに直接LUTを当てられるようになった点は非常に大きなメリットですね。」
今井孝博氏
「モニターにつなげば、最終系のルックに近いものが見られるし、ViewfinderだけLUTをオフにする、といったこともできるのも便利です。照明技師さんも、どんなルックになるか確認しやすいので、作業しやすくなります。」
「ベース感度は800で撮影しましたが、ノイズ感の少ないクリーンな画が撮れます。セット内とはいえ、照明は基本的に店内の電飾の光量調整が多かったので、そういう状況では感度800で綺麗に撮れるというのは助かりました。一ヶ月間フル稼働してまったくトラブルもなく、60万円台のカメラでここまで撮れるのは、すごいです」
グレーディングにはインターセプターのDaVinci Resolve Studio 14およびResolve Mini Panelが使用されました。
田巻源太氏
「Amazonプライム・ビデオ用がUltra HDのProRes納品だったため、Resolve14でのパフォーマンス向上は相当、助かりました。Ultra HD 30Pのタイムラインでの再生のスムーズさは旧バージョンとは比べものにならないくらいです。今回、コラボレーションワークフロー用に2台のMacとLinuxマシンでシステムを構築しました。アシスタントが1台のMacを使い、私はよりパワフルなLinuxをメインに使いました。もう1台のMacはProRes書き出し用と私がMacでしか動かないソフトウェアを使うとき用です。新しいエピソードの作業をしながら、他のマシンでレンダリングができたのは効率的でした。」「また、Fusion Connectで、Fusionを使ってアシスタントが消し込み作業もしました。Resolve上で追いかけきれない複雑なマスクの作成や、写り込んでいる電話番号を消すためにFusionを使っています。」
「撮影の段階からポスプロまで他のソフトウェアを介さずに、ずっとResolveを使うことでルックが微妙に変わってしまう、という心配もありませんでした。現場でトーン作りに時間をかけたので、最終グレーディングでは、そういったことに時間をとることなく、タイムライン全体のマッチングやコントラストの調整に集中できました。また、Mini Panelを使うことで、RAWの設定もノブでコントロールできた点も作業しやすかったです」