運ぶ・守る・整理する ケースの話
裸で持ち歩く訳にはいきませんし、カメラを持つならケースは必須ですね。
カメラは高価な精密機器。運搬中にぶつけて・落として・濡らして壊れました、
なんて事になってはロケ中断・修理代など、洒落では済みません。
いくら持ち運びに気を使っても、不意の事故は付き物です。
そんな時のためのケース選びを考えてみましょう。
・ハードケース
アルミや樹脂など、硬い素材で作られたケースです。
堅牢性は当然高く、メーカーがトラクターで轢いて丈夫さをアピールしたり、
使用者が車で事故に遭い、車がグシャグシャになってもケースと中身は無事だった、
なんて話もあります。
大抵は四角いので積み重ねられ、隙間も出来にくいから車に載せやすく、保管でも整頓し易い。
硬い素材なので土の上などに置き、泥で汚れても掃除も簡単。
モノによっては防水だったり鍵をつけられたり、オーダーで専用のケースを作ったり・・・
そして最大の特徴は、「カッコいい」に尽きます。
コレを台車に載せてガラガラやって来た日には、誰がどう見てもプロです。胸を張りましょう。
至れり尽くせりのハードケースですが、弱点も。
堅牢性故に重いです。手で持って歩きまわる、なんて事は考えない方が良いでしょう。必ず後悔します。
四角いので嵩張りがちです。保管スペース・機材車のキャパシティを意識しましょう。
値段も高いです。一流のシネマカメラ本体と比べれば、可愛いものですが・・・
ハードケースの代表的なブランドを紹介しましょう。
・ペリカンケース
アメリカの軍・警察・医療・報道などで広く使われている、実績のあるブランドです。
防水製が高く、自動気圧調整機構も装備。
中身は賽の目に切り込みが入ったウレタンフォーム。
好きな形に切ることで、機材にピッタリの内装にできます。
現場ごとに中身が変わり、柔軟な対応が必要ならディバイダータイプも。
マジックテープで仕切りを自由に変えられますよ。
また、オーダーメイドの内装も可能です。
・アルモア
日本の、主に音響関係で広く使われているブランドです。
汎用的なケースも多く取り扱ってますが、オーダーメイドの対応力・柔軟性が群を抜いて高い。
専用のケースが欲しいなら、一度相談してみると良いかと思います。
・ソフトケース
主に布で作られたケースです。一眼レフのケースとしては、かなりポピュラーですね。
比較的軽く、バックパック型やベルト型、ショルダーバッグ型など「身に付ける」事ができます。
そのため可搬性に優れ、自然の中でのフットワークが抜群に良い。
そういった使用を想定し、考えつくされたデザインもポイント。
三脚が装着可能だったり、
横から素早くアクセスできたり。
Blackmagic Cinema Cameraなんかは一眼レフと近い形になるので、考えるのが楽しいですね。
内部に樹脂などを入れて堅牢性を高めた物もあります。
多くのメーカーが作っているので、選択肢が非常に広い事も利点のひとつ。
弱点としては、ハードケースに対して当然ではありますが、堅牢性は高くありません。
出し入れもジッパーを開けてゴソゴソ、というパターンが多いので少し面倒ですね。
撥水加工を施した物もありますが、それでも防水性はハードケースに及ばず。
ハードケースとソフトケースはお互い一長一短で、どちらが良いとは決められません。
用途に応じて適したケースを利用し、カメラ・機材を守ってあげましょう。